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AVB/Milan規格
Milanとは何か
AVBは、音声や映像をリアルタイムかつ高精度に伝送するために策定されたネットワーク規格ですが、非常に幅広い技術仕様があるため、AVB対応機器同士であっても互換性がないことがありました。
Milan(Media Integrated Local Area Network)は、この互換性の課題を解決するために、AVNUアライアンスによって策定されたオープンなメディア・ネットワーキング・プロトコルです。Milanは、AVB仕様の中から特定の機能や挙動を厳密に定義し、ディタミニスティック(確定的)で一貫した動作と、各デバイスでどの機能をサポートするかを明確に定義するため、異なるメーカーの機器でもスムーズな通信が可能になります。
「ディタミニスティック(確定的)で互換性のある、将来も有効に使い続けられるメディア・ネットワーキングを構築するためのオープン規格」
AVNUアライアンスとMilan認証
AVNUアライアンスはWi-Fi Allianceのような業界団体であり、オーディオ、ビデオ、自動車、産業用機器などの分野で活躍する企業や専門家によって構成されています。IEEE 802.1および802.3のオープン規格に基づいたネットワーキング技術の普及を目指し、TSN(Time-Sensitive Networking)技術の標準化、認証プログラムの提供、および相互運用性の確保に取り組んでいます。
Milanは、オープンな規格のため、メーカーは対応機器を開発するうえでAvnuアライアンスの認証は必須ではありません。Milanに対応する要件を満たすことで、Milan対応デバイス間での相互運用性を可能にします。ただし、AvnuアライアンスによるMilan認証を受けたデバイスは、規格に準拠していることを確認するための厳格なテストを通過し、Avnuの制定した幅広い基準に準拠しているため、Milan認証デバイス間でのスムーズな通信と操作が保証され、システム全体の統合が容易になります。
すべてのMilan認証機器はAVB機器でもあり、TSNとも互換性があります。そのため、AVBとTSNは「AVB/TSN」として1つのソリューションとみなされることがよくあります。MilanもAVBもTSNもメーカーのライセンス料を伴いません。これにより、メーカーは自社のエコシステムと緊密に統合しつつ、製品開発の自由度とコストを抑えることができます。

