
RMEの強力なデジタル・リアルタイム・ミキサー「TotalMix FX」が、待望のバージョン2.0へと進化しました。
ルーティングやミキシングの無制限な柔軟性はそのままに、ユーザーインターフェース(UI)が根本から刷新されています。バージョン1.99までの従来のTotalMixと比較して何が変わったのか、その全貌と新機能を詳しく解説します。
目次
- V1.99からの最大の進化:完全な「フリー・スケーラビリティ」
- 直感的なズーム&スクロール機能の追加
- セクションごとのスケーリング
- マウス操作と視認性のブラッシュアップ
- その他の基本機能は従来バージョン(〜1.99)から完全継承
V1.99からの最大の進化:完全な「フリー・スケーラビリティ」
TotalMix FX 2.0の最も大きな変更点は、UIの完全なフリー・スケーリング(無段階の拡大・縮小)に対応したことです。
これまでのバージョンではウィンドウ・サイズやスケーリングに一定の制限がありましたが、TotalMix FX 2.0では高解像度モニターの解像度にも完璧に追従します。これにより、4Kや8Kといった高精細ディスプレイ環境でも、視認性を損なうことなく、自由なサイズとズームレベルでミキサーを操作できるようになりました。
直感的なズーム&スクロール機能の追加
ミキサーやマトリックス画面のナビゲーションが、モダンなジェスチャー操作に対応し、劇的に快適になりました。
- スムーズなズームイン・アウト:CMDキー(MacはCommand、WinはCtrl)+マウスホイール、またはトラックパッドの2本指ジェスチャーで、マウスポインターを中心とした自由なズームイン・アウトが可能です。
- 自動スクロールバーの表示:ズームインしてミキサーがウィンドウ幅を超えた場合、右側に垂直スクロールバーが自動で表示されます。
- トラックパッドでの視点移動:スクロールバーを使用するか、またはCMD + Shift + マウスホイールもしくは2本指ジェスチャー(トラックパッド)を使えば、縦位置を移動できます。
- ワンクリックで元のサイズへ:スクロールバーの下にある「四角いボタン」をクリックするだけで、ウィンドウサイズにジャストフィットするスケーリングに瞬時に戻すことができます。
セクションごとのスケーリング
TotalMix V2では、画面全体を均一に拡大するだけでなく、各セクションのサイズを独立して最適化できるようになりました。また、Window > Set Scale To メニューから、ミキサーとサイドバーの両方に適用される「固定スケーリング(50%、70%、100%、135%、180%)」を選ぶことも可能です。
Control Strip(右サイドバー)の独立制御
右側に固定されている「コントロールストリップ」は、ミキサー部分とは完全に独立してスケーリングできます(CMDキー+マウスホイールまたはトラックパッドの2本指ジェスチャー)。
Room EQ画面
Room EQは開いた際、Control Strip(右サイドバー)のスケールに合わせて表示されます(多くの場合、これがモニター解像度に最適化されたサイズになります)。マウスでウィンドウを拡大しても下部のコントロールパネルのサイズは維持され、縮小した時のみ適切にスケーリングされます(Room EQ内での個別ズーム機能はありません)。
Matrix(マトリックス)画面
マトリックス画面もミキサー・ビューと同様に、現在のポジションを維持したまま自由にズームが可能です。サイドバーも独立してスケーリングでき、右下の四角いボタンを押すことで、マトリックスのスケールをサイドバーのスケールに瞬時に合わせることができます。
マウス操作と視認性のブラッシュアップ
日々の制作作業をストレスフリーにするため、細かなUIのフィードバックやマウス挙動が改善されています。
- ホバー・ハイライト機能:操作可能なノブやフェーダーにマウスを乗せると、明るい色でハイライト表示されるようになり、どこを操作しようとしているかが直感的に分かります。
- スマートなステレオゲイン調整:ステレオチャンネル時のゲイン操作性を変更。
- Gainノブの左右エリアを操作:L/R両方のチャンネルを同時にコントロール。
- Gainノブ内の上下の数値を操作:LまたはRの片方のチャンネルのみをコントロール。
- また現在選択されているHARDWARE OUTPUTSチャンネルは、テキストカラーが明るく表示され、視覚的な改善が施されました。
その他の基本機能は従来バージョン(〜1.99)から完全継承
UIと操作性が劇的に進化した一方で、ルーティングの自由度、EQやDynamics、Room EQといった強力なDSPエフェクト処理、DURec(Direct USB Recording)、TotalMix Remoteなどの機能は、すべて前バージョンから完全に引き継がれています。操作感の基本(左クリック、ダブルクリックでの数値入力、CMD+クリックでのゼロリセット等)も従来通りですので、迷うことなくTotalMix FX 2.0へ移行できます。
旧デザイン(Old Design)との切り替えも可能
フリー・スケーリングはベクター描画を基本とするため、低解像度モニターでは従来のピクセルパーフェクトな描画(Old Design)の方が綺麗に表示される場合があります。 そのためTotalMix FX 2.0では、環境に合わせて「新デザイン」と「旧デザイン」を自由に切り替えることが可能です。
- 新規ウィンドウ作成時にデザインを選択可能(File > New TotalMix Window)。
- 上部メニューの
Window > Toggle Old-New Designからいつでも切り替え可能。
