
RMEオーディオ・インターフェイスでAbleton Liveを使用する際の、基本的な設定方法を解説します。
本セットアップ・ガイドでは、Live 12の設定画面を使用し、オーディオデバイスの選択、入出力チャンネルの構成、サンプルレートやバッファーサイズの設定、Cue出力のモニター設定など、録音・再生に必要な初期設定について説明します。
なお、本ガイドはドライバーがすでに正しくインストールされ、RMEのオーディオ・インターフェイスが正常に動作していることを前提に作成しています。インストール手順については、下記インストール・ガイドまたはユーザーガイドをご参照ください。
※Ableton®、Abletonロゴ®、およびLive™は、Ableton AGの登録商標または商標です。その他、本記事に記載されている会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。
ご注意
本ガイドは設定時のご参考情報として公開させていただいております。本ガイドの内容について、RME Audio JPサポート窓口へお問い合わせ頂きましてもご回答致しかねますので、あらかじめご了承の程お願いいたします。各製品のご使用方法に関しましては、お取り扱いメーカー窓口、または販売代理店様までご確認ください。
1.基本セットアップ・ガイド
まずは、Ableton LiveとRMEオーディオインターフェイスを使用した基本的なセットアップ手順について解説します。新規Liveセットの作成から、オーディオデバイスの設定、入出力チャンネルの構成、サンプルレートおよびバッファーサイズの調整まで、制作やレコーディングを始めるために必要な初期設定を順を追って確認していきます。
STEP 1:新規Liveセットの作成
STEP 2:RMEインターフェイスをオーディオ・デバイスとして設定する
macOSの場合
- Liveセット上部のメニューからLive > 設定を開きます
- 環境設定のAudioタブでドライバタイプが「CoreAudio」になっていることを確認し、オーディオデバイス欄でお使いのRMEインターフェイスを選択します。
Windowsの場合
- Liveセット上部のメニューからオプション > 環境設定を開きます
- Audioタブを選択し、ドライバタイプで「ASIO」を選択します。
- オーディオデバイス欄でお使いのRMEインターフェイスを選択します。お使いRMEインターフェイスは、ASIO Fireface USBといったドライバーの名称で表示されます。
STEP 3:入出力チャンネルの設定
チャンネル設定欄の入力設定と出力設定をそれぞれクリックし、Liveで使用する入力と出力チャンネルを選択します。
ここで選択した入出力チャンネルは、Liveトラックの「入力/出力セクション」で選択できるようになります。
入力チャンネルの設定
- 環境設定画面から入力設定を選択します。
- 入力に使用したいチャンネルをクリックし、アクティブ(黄色)に設定して、OKをクリックします。
(動画では最初からアクティブの状態になっています。)
各入力には任意の名称を設定することも可能です。
Babyface Pro FSの例:
Babyface Pro FSは4系統のアナログ入力(TotalMix上の表記ではHARDWARE INPUTSのAN 1、AN2、Instr. 3/4)を備えています。
この入力設定画面では、モノ入力1&2をアクティブにしています。
出力チャンネルの設定
- 環境設定画面から出力設定を選択します。
- 出力に使用したいチャンネルをクリックし、アクティブ(黄色)に設定して、OKをクリックします。
(動画では最初からアクティブの状態になっています。)
各入力には任意の名称を設定することも可能です。
Babyface Pro FSの例:
Babyface Pro FSは4系統のアナログ出力(TotalMix上の表記ではHARDWARE OUTPUTSのAN 1/2、Main Out もしくは PH 3/4)を備えています。
この出力設定画面では、ステレオ出力1/2をアクティブにしています。
STEP 4:サンプルレートとバッファーサイズの設定
サンプルレートの設定
バッファーサイズ(レイテンシー)の設定
バッファサイズ(レイテンシー)を設定します。
ヒント
バッファーサイズを小さい値に設定するとレイテンシー(音の遅れ)が小なくなります。しかし、その分コンピューターへの負荷が高くなり、バッファーサイズが小さすぎると音の歪みやクリップの原因となります。尚、ライブなどでリアルタイムにパフォーマンスする場合には、256 sample以下に設定すると音の遅れを最小限に押さえることができます。
以上でRMEオーディオ・インターフェイスをLiveで使用する際の基本的なセットアップは完了です。
それでは、実際に音を入力・再生し、設定が正しく機能しているかを確認しましょう。
2.オーディオ入出力を確認する
オーディオの入出力信号は、RMEインターフェイスに搭載されるデジタル・リアルタイム・ミキサー「TotalMix FX」で確認できます。
TotalMix FXは、コンピューターにRMEインターフェイスが接続されると自動的に立ち上がります。もしウインドウが表示されていない場合は、DOCK(mac)またはシステムトレイ(Windows)からTotalMix FXのアプリケーション・アイコンをクリックしてください。
💡 TotalMix FX 信号フローの読み方
- 上段 (HARDWARE INPUTS): マイクや楽器などの外部機器から入力された信号がここに表示されます。
- 中段 (SOFTWARE PLAYBACK): DAWからTotalMixへ送られてきた直後の信号です。メーターが振れていればDAWの設定は正常です。
- 下段 (HARDWARE OUTPUTS): スピーカーやヘッドフォンなどへの「最終的な音の出口」です。
- ルーティング方法: 下段で音を出したいチャンネル(Mainなど)を1回クリックして選択し(ハイライト表示)、その状態で上段や中段のフェーダーを上げると、音が送り出されます。
入力信号を確認する
マイクや楽器などの入力信号の音の流れを確認します。
入力信号は、TotalMix FX 上段の「HARDWARE INPUTS」に表示されます。
以下はBabyface Pro FSの「AN 1」にマイクを接続した場合の調整例です。
- TotalMix FXのHARDWARE INPUTS(上段)で、マイクを接続した「AN 1」のスパナアイコンをクリックします。
- Gainノブをドラッグして適切な入力レベルに調整します(コンデンサーマイクを使用する場合は48VをONにします)。
- Liveの空欄で右クリック、もしくはLive > 「トラック」メニューから「オーディオトラックを挿入」を選択し、トラックを追加します。入力ソースとして作成したチャンネルを選択します(ここでは、モノラル・トラックを追加しています)。
- 入力チャンネルを選択するAudio From欄で「AN 1」が選択されていることを確認します。
- トラックの録音待機ボタンをONにすると、入力信号がメーターに表示されます。
-
トラックのMonitorボタンを「Auto」または「In」にすると、音が確認できるようになります。
注意:表示されるオーディオ入力信号は、TotalMix FXのフェーダーを通らずにDAWへ入力されます。このフェーダーはダイレクト・モニタリング用のため、DAW側でモニターを行う場合はフェーダーを上げないでください。
出力信号を確認する
次に、Liveからのオーディオの出力信号を、TotalMix FX上で確認します。
Liveのマスターアウトは、標準ではTotalMix FX 中段「SOFTWARE PLAYBACK」の「AN 1/2」に割り当てられています(製品により名称が異なる場合があります)。
TotalMix FXがSUBMIXモードで初期状態の場合、Liveから再生された音は、TotalMix FX 下段「HARDWARE OUTPUTS」の「AN 1/2」(出力1/2)または「Main」から出力されます(インターフェイスによって変わります)。
Babyface Pro FSのTotalMix FXの初期状態: 「SOFTWARE PLAYBACK」のAN1/2チャンネルが、下段「HARDWARE OUTPUTS」のMainチャンネル(ヘッドフォン出力)およびAN1/2チャンネル(XLR出力)の両方にアサインされており、スピーカーとヘッドフォンの両方から音が鳴る設定になっています。
録音時のモニタリングについて(レイテンシー対策)
ここまでのSTEPで紹介した方法で、マイクや楽器の録音を行う際のモニタリングで、「音の遅延(レイテンシー)」が気になる場合、DAWを経由しないでTotalMix FXのみでモニターを行うダイレクト・モニタリングが効果的です。
TotalMix FXによるダイレクト・モニタリング
- ルーティングの仕組み: 楽器やマイクが接続されたHARDWARE INPUTS(上段)の音を、そのままMainやPhones(下段)などの出力へ送ります。
- メリット: DAWを通らずインターフェイス内部で処理されるため、レイテンシーを極限まで抑えた快適な演奏が可能です。
- 設定: DAW側のモニターボタンは必ずOFFにしてください(音が二重に聞こえるのを防ぐため)。
DAWを使用した通常のモニタリング
- ルーティングの仕組み: 楽器やマイクが接続されたHARDWARE INPUTS(上段)の音は、DAWを介してSOFTWARE PLAYBACK(中段)に出力され、その信号をMainやPhones(下段)などの出力へ送ります。
- 用途: 録音した素材のチェック、波形編集、ミキシング作業に適しています。
「録音は遅延ゼロのダイレクト・モニタリング」、「チェックやミックスは通常のモニタリング」と状況に応じて使い分けるのが、RME製品を使いこなすための鍵となります。
3.Cue Out(プレビュー出力)のモニター設定
RMEのオーディオインターフェイスを使用することで、Cue Out(サンプル音やMIDIファイル、Liveクリップ、各トラックの音)をメインのミックスとは別の出力に分けて再生できます。
- スピーカーでマスター出力の音を再生
- ヘッドフォンで、クリップや指定したトラックを試し聴き
という使い分けが可能です。
これによって、スピーカーの音を邪魔せずに素材や指定のクリップをチェックしながら、気に入ったものをそのままミックスに追加できます。
Babyface Pro FSの設定例:
LiveのMain Out (マスター出力) → Babyface Pro FSの AN 1/2 → メイン・スピーカー
LiveのCue Out (プレビュー出力) → Babyface Pro FSの Main Out もしくは PH 3/4 → ヘッドフォン

以下で、その設定方法を説明します。
STEP 1: Liveの出力設定をする
- 「オプション」メニュー (Windows)、もしくは「Live」メニュー(Mac)から「設定」を選択します。(1.基本セットアップ・ガイド参照)
- Audio > 出力設定をクリックします。
- 「出力設定」画面で、マスター・ミックスを再生する出力チャンネル(メイン・スピーカーに接続するチャンネル。ここではステレオ出力1/2)と、プレビューを再生するヘッドフォン出力チャンネル(ここではステレオ出力3/4)を選択し、[OK]を押します。
各入力には任意の名称を設定することも可能です。
STEP 2: Liveでモニター出力先を指定する
Mainトラックに表示されるMain Out(マスター出力)とCue Out(プレビュー出力)の欄から、それぞれの出力先を選択します。
STEP 3: TotalMix FXでモニター出力先を指定する
Live側での設定が完了したので、次は
TotalMix FXで、モニター出力のルーティングを設定します。
Babyface Pro FSの例:
- HARDWARE OUTPUTS(下段)のAN 1/2を選択します。
- SOFTWARE PLAYBACK(中段)のAN 1/2のフェーダーが上がっていることを確認してください。
- SOFTWARE PLAYBACK(中段)のAN 3/4のフェーダーは下げたままにしておきます。
これで、メインスピーカーからMaster Outのみをモニターすることができます。 - 次に、HARDWARE OUTPUTS(下段)のMainを選択します。
- SOFTWARE PLAYBACK(中段)のAN 1/2のフェーダーを下げます。
これで、Main Outがヘッドフォンへ出力されないようになりました。 - SOFTWARE PLAYBACK(中段)のAN 3/4のフェーダーを上げたままにしておきましょう。
これで、LiveのMaster Out(マスター出力)をスピーカーへ、Cue Out(プレビュー出力)をヘッドフォンへ出力するための設定が完了しました。
STEP 4:クリップのプレビュー再生
STEP3までの設定を完了することで、プレビュー・ボタン(ヘッドフォンのアイコン)を押すと、選択したクリップのプレビューがヘッドフォンから再生されます。
STEP 5:各トラックのプレビュー再生
ミキサー上の各トラックもプレビュー再生できるようにするには、マスター・トラックの「Solo」ボタンを「Cue(プレビュー)」ボタンに変更します。
これで、スピーカーでマスター出力、ヘッドフォンでプレビュー出力がモニターできるようになりました。
